本も映画もそんなに好きじゃないから滅多に見ないんだけどね。
そのわりに面倒な性分で
映画や本の内容をあらかじめ知っちゃうと、それが頭から離れずに途中で
「ああ、たしか~だから・・・ってことはこれは~だろうな・・・やっぱり・・・」
って感じで楽しめない事が多い。
面白そうな映画とか漫画なんかはあらすじや情報をシャットアウトして、事前の知識ゼロの状態で見た方が断然新鮮で面白い。
面白そうな映画はテレビで予告をやりそうになるとチャンネルを変える。
文庫本を読む時は、カバーのあらすじや登場人物を読まないように、まずカバーを捨て、目次も読まないようにする。
・・・やりすぎかもしれない。
・・・で、今更だが、昨日浦沢直樹のMONSTER全18巻を借りて一気に読んだ。
以前から読みたいと思って、この数年苦労して情報をシャットアウトしてきたから、やっとすっきりした。
ネットや雑誌で、少しでもモンスターの内容が書いてありそうなところは読まないようにして事前の知識の無い状態で読めたおかげもあってか、なかなか面白かった。評判が高いのもなるほどって感じだ。
でもなー・・・いや、前半はグイグイ引き込まれる感じなんだけど、途中からちょっと物足りないかも。
特にクライマックスで、前半には感じられたスケール感が感じられず、ちょっと拍子抜けっぽかったかな。
手塚治虫や諸星大二郎の大作の持つスケール感には残念ながら及ばない気がした。
なんかあと一歩、あと一歩。もったいないなーって感じなんだよな。
これ、連載じゃなくて本の書き下ろしみたいに全部書いてから練り上げるような形だったらより完璧な作品に仕上がったかも。
漫画だと難しいか。
所々、整合性が取れてないってほどじゃなくても小さいほころびみたいなのも気になったし、もう少し掘り下げないとわかりにくいところとか。
双子と母親が家から連れ出されるくだりとか、ヨハンがマネーロンダリングの組織作ったあたりとか。
あと、ロベルトの性格なんかももう少し掘り下げないと説得力に欠ける気がする。
他の犯罪者達がヨハンに影響を受けたのは説得力あったけど、ロベルトは「ココア」とか「終わりの風景」って、なんかなー。
それとさ、孤児院での洗脳の前に更に朗読会の洗脳があったっていうのが屋上屋を重ねるって感じですっきりしない。
ラストも「ソフィーの選択かよ」みたいな。
でも、面白かったよ。ハリウッドの映画化が楽しみではある。